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代表 三宅 仁美さん
教員の夫と長男(小6)、次男(小1)の4人家族。夫の転勤で2017年4月より足寄町に在住。町内で月1回の「お話会」のほか、不定期に「学びの場」を開催している。
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ママたちがほっこりできる あたたかい場所を
月1回の「ママのためのお話会」。コミュニティセンターの一室に集まったママたちに、三宅さんが語りかける。「安心安全な場所であるために」「この場で話したこと聞いたことは口外しない」「お互いを大事にしよう、否定しない、良い悪いで判断しない」などの項目が並び、「ヒカリが灯るように」で結ぶ。手にするのは三宅さんが得意とするパステルアートで自作したスケッチブックで、それを見ているだけでやさしい気持ちになれる。柔らかな雰囲気のなか、おしゃべりの時間がスタートするが、テーマの設定はなく、話したいこと、聞いてほしいこと、共有したいことであれば話題は何でもOK。「おしゃべりすることでリラックスできたり、悩みを解消できたり、この場所で過ごした時間がママの心の潤いになればいいと思っています」と三宅さん。
転勤族の夫を持つ三宅さんが足寄町に転入したのは2017年4月。十勝の中で一番広い土地を持つ町でありながら、人口はそれまで住んでいた町の半分以下。小さなコミュニティの中で「ママ友ができるかな?」「地域のママたちと信頼関係を築けるかな?」というもどかしさがあったという。同じように転勤族のママと親しくなり、同様の悩みを抱えていることを知った。「だったら私が自分の悩みや感じていることを話せる安心安全な場所をつくろう」と動き出す。転入から5ヵ月後の9月に第1回目の「お話会」が開催された。
ママだって学びたい 学びの場を さらに発展させて
その約半年後には、町の社会福祉協議会のサロン活動にも位置づけられ、不定期開催のママを対象にした「学びの場」もスタート。「ママだって、子育てのことや食のことなど学びたいことはたくさんあります。今の自分たちの生活がより豊かにできたらという思いが強くなったことがきっかけです」。講師を招き、性教育、調味料やおやつのこと、防災や天気図の 見方など、暮らしに役立つテーマで開催してきた。現在、三宅さんは帯広市内で開校している「おかあさんのがっこう」の職員としても活動していて、三宅さんが暮らす足寄町でも学校を開校しようと準備が進められている。
コロナウイルスの影響でこの春から数ヵ月は活動を休止したものの、今年9月には活動3周年を迎えた。3年間を振り返ると、お話し会と学びの場を合わせてちょうど50回目の開催となり、参加人数は延べ319人になった。記念すべき節目は地域の70代の女性を誘い、ランチを食べながらのおしゃべりでお祝いした。
「夫は道外出身、私は道南の出身で近くに親戚や頼れる人はいません。遠くの親戚よりも近くのママ仲間に支えてもらっています」と三宅さん。コロナ禍で集まる機会は減ったもののLINEグループで仲間とつながり、子どもの様子や地域の情報を交換し続けている。
お話会の時間で必ず最初に読む、 パステルで描かれた「大切にしたいこと」